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救急・集中治療部

当院における救急部の設置は平成2年6月であり、少し遅れて平成5年4月に集中治療部(ICU)が設置された。平成9年4月には、総合診療部の設置に伴い、Medical Coordination Center (MCC)として、一次から三次までの救急患者初療およびICU管理の一体運営を行ってきた。平成15年4月に救急集中治療医学講座が開設されたことに伴い、同年5月から救急・集中治療部となった。

ERでは、一次から三次までの救急患者および他医療機関からの紹介患者を24時間体制で受け入れている。初期診療を行った後に、傷病の種類によって各診療科と連携して治療に当たるだけではなく、心肺停止蘇生後、多発外傷、薬物中毒、アナフィラキシーショック、敗血症、手術適応のない頭部外傷等の患者は、主科としてICUおよび病棟において管理している。また、院内急変(コードブルー)の患者にも対応している。

ICUでは、術後患者(Surgical ICU)、循環器患者(CCU)、重症救急患者(Emergency ICU)、小児重症患者(PICU)、内科系重症患者(Medical ICU)、院内発症の重症患者等に対応している。ベッド数は平成5年の設置時には5床、平成16年頃より6床、病床再編に伴い平成23年8月より12床で運営している。また平成6年より新生児を除く全ての診療科の患者を専従医のみで365日24時間一元管理しており、closed ICUの運営形態を取っている(平成15年から心臓血管外科は自科管理)。平成30年11月より院内の病態悪化患者に早期に対応するためのシステムであるRapid Response System (RRS)を担当している。

平成22年3月に災害拠点病院(地域災害医療センター)の指定を受け、災害医療に対する活動を行っている。東日本大震災時には、発災当初に災害派遣医療チーム(DMAT)を現地に派遣した。平成26年2月には近畿12国立大学と大規模災害発生時における協定を締結し、滋賀県広域災害時の航空搬送拠点臨時医療施設に指定された。平成26年6月には常設のヘリポートが完成し、ドクターヘリ搬送を受ける体制が整った。

全国の大学病院において救急部と集中治療部を一体運営する病院はいくつか存在するが、当院は比較的うまく運営されており、救急患者の初期診療、急変時の対応、および重症患者管理において一定の役割を果たしてきた。とくにICUは麻酔科からの応援も得ており、心臓血管外科とも協力しながら運営している。現在、部長は救急集中治療医学講座教授の塩見直人が務め、副部長は救急科の辻田靖之准教授に加え、ICUを一緒に管理している麻酔科の小嶋亜希子講師および心臓血管外科の髙島範之講師の3人が務めている。

現在、令和8年2月竣工を目指して新棟(E棟)を建設中であり、完成時には初療室(1階)、検査室(2階)、病棟・医局(3階)が全て同じ建物内に入り、重症患者の初療から集中治療までシームレスな診療体制が整う予定である。同時に高度救命救急センターの認可を目指しており、県内の重症患者の拠点としての体制を整備する。それに向けて、令和5年度から院内に救急救命士を採用し、特定行為看護師の育成にも力を入れている。将来的には県内の重症患者を集約して診療する体制の構築を目指している。

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