Institutional Research Office（IR室）は近年になって各大学で設置が進んでいるが、その役割は多様である。本学では、IRに関する事務担当であった企画課（総務企画課の前身）を、2017年2月に「企画（IR担当）課」と名称変更し、学内情報の収集や外部評価に対する対応を開始した。2018年に教員組織改革ワーキンググループでIR室の必要性が提言され、2019年4月に、学長直下の組織として「教学活動の評価のみならず研究・臨床、財務を含めた大学運営の活動評価を行う」ことを目的としてIR室が設置された。初代室長には辻喜久准教授（当時）が就任し、2019年11月に石井真理子特任助手が加わり、辻室長の退任に伴い森野勝太郎が2021年1月より引き継いだ。IR室は、IR室運営会議メンバーの強力なサポートにより運営されている。

本学の理念である「地域に支えられ、地域に貢献し、世界に羽ばたく大学として、医学・看護学の発展と人類の健康増進に寄与すること」の実現に向けて、IR室は、学内の様々な情報を分析し、PDCAサイクルを回りやすくするとともに、組織運営の中で有効な改善案を策定し、より大きなアウトプットに貢献するとともに、業務の効率化を推進することを目指している。各種委員会に参加すると同時に、分析結果を報告している。2021年度には教学IR12件、研究IR3件、経営IR18件、2022年度には教学IR12件、研究IR4件、経営IR22件となり、学内の様々な意思決定に関与した。

さらには、学生、教職員、患者さん、医療機関、企業、地域の方々などすべてのステークホルダーへの情報発信および対話を目的とした「統合報告書」を毎年発行している。

2022～2023年度は教員評価・研究業績管理システムの導入や学生データの統合を進めている。IR室の活動により、学長や委員会がより公平で根拠に基づく意思決定ができるように、また、IR室が関わることで組織の効率化や教育・研究・診療活動の活性化につなげていくことを方針としている。

2023/12/22現在のIR室メンバー