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附属病院診療科

救急科

救急科は、平成28年4月に本学医学部附属病院における診療科の一つとして設置され、大津地域の急性期医療を支える医療機関の診療科として機能している。近年は救急車の応需台数も増加傾向にあり、コロナ禍は一時的に減少したものの、令和4年には年間3600台を超えた。当科は24時間体制のER型救急診療に加え、主治医として入院患者を受け持ち、急性期治療から加療後の退院調整まで総合的な診療を行っている。

当科の入院対象疾患は非常に幅広く、総合診療部と連携しながら発熱、腰痛、軽症外傷などの一次救急疾患に対応するとともに、急性心筋梗塞、脳卒中、多発外傷、薬物中毒、敗血症、心肺停止症例などの三次救急疾患の初期診療から入院管理まで担当している。令和4年度の当科対応患者数は2934人であり、うち一次救急患者2003人(68.3%)、二次救急患者626人(21.3%)、三次救急患者305人(10.4%)であった。ここ数年は三次救急患者の割合が増加傾向にある。また、糖尿病や高血圧など慢性疾患を有する高齢の救急患者や、心理・社会的な要因を有する患者、多疾患が併存する患者、受診科不明の診断困難患者等も積極的に受け入れている。必要に応じて各診療科への橋渡しを行い、救急診療における多種多様な医療要請に対応している。

当科の診療は、救急・集中治療部と重なっており、ICUにおいて重症患者を主科として管理することもある。また、多岐にわたる疾病を併発している高齢者などは単独の診療科での治療が難しいが、当科が主科として病棟で管理することもある。最近では重症頭部外傷患者に対して、当科で積極的に頭蓋内圧(ICP)センサーを挿入し、ICPのモニタリングを行っている。当科は、ERで初療を行うゲートキーパーとしての役割と同時に、各診療科間を繋ぐコーディネーター、そして各診療科を支援するサポーターの役割を担っている。現在、救急集中治療医学講座教授の塩見直人が科長を務め、准教授の辻田靖之、講師の藤野和典に加え、中堅としては助教の筆頭である岸本卓磨を中心に、県内全域の重症患者に対応すべく活動範囲を拡げている。

当科では、しばらく専攻医が入らない状況が続いていたが、令和4年度から学生および初期臨床研修医の教育体制を整備し、令和5年度に1人の専攻医の応募があった。令和6年度の専攻医には8人が応募しており、今後は毎年数人の専攻医の獲得を目指す方針である。令和8年2月には新棟(E棟)が新設され、ICU8床とHCU12床(計20床)が当科の病床数として設置される。高度救命救急センターの認可を目指して、熱傷、切断肢、急性中毒にも対応していく方針である。今後当科は、滋賀県の最後の砦としての診療を担い、また救急医を育成する役割を担うことを目標としている。

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