Departments講座等紹介

基礎医学講座

薬理学講座

本講座は開学3年目、1976年に初代教授戸田昇、助教授宮崎瑞夫を中心に開講した。1989年に助教授として加わった岡村富夫が1999年に2代目教授に着任したが、開講から一貫して血管平滑筋の薬理学的・生理学的研究を行い、血管拡張性神経の化学伝達物質が一酸化窒素(NO)であること、さらにNO作動性神経が消化管や陰茎海綿体の平滑筋弛緩にも関与していることを世界に先駆けて報告した。

2014年3月までの講座スタッフの変遷は40周年記念誌に詳しいので、ここではそれ以降の動きについて記載する。2016年3月に岡村富夫が定年退官し、2017年1月に西英一郎が京都大学循環器内科から3代目教授として着任した。それと前後して准教授今村武史は鳥取大学薬理学講座教授に栄転し、助教田和正志は金沢医科大学に転出した。2017年4月には、京都大学循環器内科から大野美紀子が、本学糖尿病内分泌内科から岩﨑広高が助教に着任し、事務・技術補佐員野瀬裕子、森永理沙とともに講座の新体制が整った。その後2019年2月に大野美紀子が准教授に昇進し、2021年4月には岩﨑広高がカリフォルニア大学ロサンゼルス校に留学、ワシントン大学から西清人が助教として着任した。また森永理沙、野瀬裕子の退職と前後し、2021年10月に技術補佐員として吉田恵美が参加し、2023年10月には京都大学iPS細胞研究所から池田真也が特任助教として着任した。西英一郎着任後に、大学院生としてMend Amar Batbaatar, Narangerel Ganbaatar (国費留学生)、松田真太郎(京都大学循環器内科)、今井隆行、平山尚史、茶谷元晴、吉田晋也(以上4名:消化器内科)、安川大貴(消化器外科)、天野泰孝(整形外科)が研究に参加してくれた。

研究面では、ナルディライジン(NRDC)というプロテアーゼ分子を通して、様々な生命現象や疾患メカニズム解明に取り組んでいる。全身欠損マウスが低体温、がん・炎症抵抗性など広範な表現型を示したことから、代謝・免疫・腫瘍形成を統合的に制御するハブ分子と捉え、組織特異的欠損マウスなどを駆使して生体システムにおける役割を追求している。ヒト血中NRDCはバイオマーカーとしての有用性も示唆されており、治療標的としての可能性も併せ、臨床応用を視野に入れて進めている。

教育面では、医学科3年生の薬理学および薬理学実習を中心とし、2年生の神経科学、看護学科2年生の薬物治療学の講義などを担当している。薬理学講義では、重要ポイントを復習問題として明確にすることで、学習しやすさを追求している。薬理学実習は、モルモット腸管、ヒト血小板を用いて薬剤反応性を検討するウェット実習、統計解析・プログラミングを扱うドライ実習、さらに臨床への架け橋を意識した症例検討(症例プレゼンテーション、模擬医療面接を含む)と、幅広い題材を扱っている。

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