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臨床医学講座

麻酔学講座

麻酔学講座の開講は滋賀医科大学開学2年後の1977年4月1日で、2027年4月が50周年となる。開学40周年記念誌が2014年に出版されているので、今回はそれ以後2024年までの10年間について麻酔学講座の歩みをまとめる。

2014年3月に野坂修一教授(第2代)の退官に伴い、北川裕利准教授が教授に昇任した。当時のメンバーとして教授以下、瀬戸倫義講師、福井聖講師を中心に16名で麻酔科医局運営を行っている。その後、滋賀医大麻酔科医局に新たに所属したメンバーは2015年には5名、16年に11名、17年に3名、18年6名、19年に8名、20年に1名、21年に11名、22年に5名、23年に3名、24年に6名を迎え、滋賀医大関連病院を含め多くの先生方と一緒に麻酔医療に携わってきた。また、2020年より麻酔科に所属する特定看護師を創設し、初年度より23年まで各年1名の計4名を迎えて、周術期や術後疼痛管理に従事する体制を確立した。2024年4月現在、滋賀医大麻酔学講座に所属する医師は、教授を含めて医局員30名である。

2019年には高橋完先生が金沢医科大学麻酔科教授として栄転された。滋賀医科大学麻酔学講座として初めて他学教授を輩出できたのは望外のよろこびであった。また、2022年9月にはコロナ禍のなかで日本心臓血管麻酔学会第27回学術大会を主宰し、現地開催とオンデマンドによるハイブリッド開催という新しい形の学会運営を経験できたのは医局として大変光栄なこととなった。

臨床面では、手術室の運営が非常に難しい時代であった。特に、手術件数を増やすことが病院の目標となり、いかに麻酔科医を配置し、安定した運営を行うかということが求められた。さらに臨床修練の確立にも力を入れ、滋賀医大病院での年間400例を超える心臓血管手術を経験し、さらに大阪母子医療センターでの研修を2004年以後18名が行い、地域で活躍できる優秀な人材を輩出することができた。手術室新棟が平成21年に完成してから、手術室は10室から14室運営となり、2023年度は7352件(麻酔管理件数 4883件)となった。日々、多くの症例を行っているが、おかげさまで大きな事故もなく運営できている。また、2020年からの3年間はコロナに翻弄された期間となった。初期のコロナ感染症は致死的でもあり、フルPPEでの対応が煩雑であった。また、多くの医師とその家族が感染し、通常の勤務管理が難しい局面もあったが、医局員とその家族や事務員、同門会員の方々に大過なかったことは幸いであった。2024年4月現在、関連病院として、滋賀県内に9病院、県外に7病院を配置し、計50名が地域医療に貢献している。近年は人数の少ない病院での夜間の麻酔応需をどのようにするのかに腐心しながら、多職種連携を強く推進している。

研究面では、麻酔薬とイオンチャネル、免疫応答、臓器保護等の関連についての基礎研究に大学院生が精力的に取り組み、多くの成果が生まれた。2014年からの10年間で8名の大学院生が学位を取得した。なかでも生理学教室(松浦博教授)に4名の大学院生がお世話になった。2016年には日本麻酔科学会山村記念賞を小嶋亜希子先生が受賞したことは特筆に値することとなった。

最後に、医師の働き方改革元年となる2024年に向けて、さらなる効率的な講座運営が必要となってきている。特に、臨床・教育・研究のバランスの再構築が重要となる。
今後ともご支援をよろしくお願いします。

2023年7月 麻酔科同門会「一期会」にて

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