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看護学科

公衆衛生看護学講座(公衆衛生看護)

公衆衛生看護学講座は、それ以前の地域生活看護学講座からの改称によって2012年度に開設された。40周年の2014年には川畑摩紀枝教授が主宰された研究室は講師2名,助教2名の5人体制だった。2016年度から現在まで伊藤美樹子が教授として領域を主宰している。

2015年には、全国に先駆けて新卒訪問看護師を育成する「訪問看護師コース」が始動しており、2016年より本格的に正規カリキュラム外での教育プロジェクトが開始した。2017年には、保健師助産師看護師の養成にかかる指定の改正(単位増や科目構成の再編など)と文部科学省から大学における高等看護学教育における「看護学教育モデルコアカリキュラム」が示されたことを受けて、看護学科のカリキュラム改革委員会が発足し、伊藤は公衆衛生看護学講座として、訪問看護師コースの正規化と指定規則の改変に伴う保健師課程のカリキュラム改革に取り組んだ。

前者については、正規カリキュラムの移行期となる2018年度から2020年度も同プログラムの運営を預かり、「地域医療実践力育成コース」として、また学内経費の措置により新たに特任助教を任用して、正規化に向けたプログラムの開発やその効率化を図った。正規の課程で展開するためには時間や費用面での制限がある上に、通常の学部教育よりも高い到達度を目指すというプログラムの特性上、その効率化と質の担保を目指したカリキュラムの検討と開発を行った。学部新卒の訪問看護師の育成に関心を持つ新見公立大学はじめ大学や企業からの視察の受け入れも行った。

他方、この特色あるプログラムの発展と実効性を高められる専門性の高い教員体制を敷くために多川晴美准教授とともに教員体制の改革に奔走し、2021年3月に辻村真由子教授を迎えることができた。それを契機に公衆衛生看護学講座は公衆衛生看護と訪問看護の2領域に分かれ、それまで1講座で5名だった教員は、前者3名(教授,准教授・講師,助教)、後者2名の編成となった。

保健師課程を担当する領域として発足した公衆衛生看護学領域は、現在、伊藤と輿水めぐみ講師、田渕紗也香助教の3名で担当している。保健師課程のカリキュラム改革は、科目構成と学年進行をも変更する大きな改革を行なったため、2018年から2022年度までは旧カリキュラムと新カリキュラムが並行し、同じ科目を2回開講する必要があるなどとして跳ね返ってきた。それでも伊藤が着任した2016年度以降、大学院生(2024年春採用の内定者も含む)を含めて卒業・修了時に32名が保健師として就職しており、改革の手応えを感じている。

新カリキュラムの最大の特色は、保健所と保健センター実習は5単位から4単位に縮約して新たに産業保健を開始したことである。滋賀県は、製造業が盛んな地域であり、産業保健の領域でも病気になる前の健康づくりへの関心が高く、ますます重要になる分野となる。ただしその実現の道のりは簡単ではなく、何より実習施設の確保は一大事である。2023年度は学内の産業保健の領域に造詣の深い三浦克之教授、垰田和史前准教授、角谷寛教授、そして佐々木雅也前教授にも尽力いただき実習開始の数ヶ月前にようやく30名が実習できる施設が確保できた。滋賀医科大学のこれまでの社会貢献や信用が土台とって受け入れていただけたものと諸先生方の功績に深謝の限りである。私たち自身も社会が求める人材が輩出できるよう地域の各機関や事業所などとの連携や信頼関係を深めていきたい。

ここまで伊藤が直接関わった怒涛の8年について記した。2024年度には博士課程が開設される。本学の卒業生や修了生の方々とも縁を繋ぎ、保健師や地域で活躍する看護職の磁場となるよう、また創造的で先進的な研究活動を推進できる拠点となるよう研究の実績が語れる次の10年を目指したい。

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