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解剖センター

本センターは、昭和54年に学内措置により発足して以来、本学の特徴である系統解剖による倫理教育を支え、附属病院や関連病院の病理解剖のニーズ、法医解剖をとおした地域の死因究明業務に応えてきた。

まず、近年10年間の解剖数の推移を図に示す。系統解剖ではコンスタントに献体数が確保されており、ここ数年は30~40体である。病理解剖は年々減少し、その一方で法医解剖は増加しており、ここ数年は150~170体である。

労働安全、環境改善については、平成13年度に病理剖検室、法医剖検室等の改修、バイオハザード排水処理施設、換気設備を整備して、感染症に対応できる解剖室への改修を行った。そして、COVID-19蔓延への対応として、令和3年度に病理解剖室及び法医解剖室にラミナフローユニットを完備した感染防止対策整備が行われた。法医ではCOVID-19陽性患者の法医解剖が複数行われ、また、病理でもその他感染症患者の解剖が行われたが、本設備の充実によって、いずれもスタッフに感染することはなかった。

教育の基盤整備については、平成19年度に大型モニター、デモ用顕微鏡を含む、組織学・組織病理学実習用顕微鏡所見投影システムが顕微鏡実習室に整備された。さらに、令和3年度にはバーチャルスライドスキャナーシステムが配備され、解剖学実習及び病理学実習を遠隔で行うことが可能になった。すなわち、組織標本画像が自動で取り込まれ、ファイルをサーバーにアップロードすることで、学生がいつでも学内外からバーチャルスライドを観察できるようになった。このシステムは、遠隔講義や自主学習に大きく貢献している。

平成22年度には、「地域の開放型基礎医学教育センター構築」が概算要求で認められ、いわゆるMedical Museumの開設準備が始まった。この予算により、設備の充実と、標本の収集が本格的に行われた。そして、常設展示スペースであるMedical Museumが基礎講義棟・実習棟の1階に完成し、平成25年6月にはその開所式が行われた。現在、シリコン包埋マクロ臓器標本、バーチャルスライド化した組織標本、各種人体模型等、多くの標本を展示し、高大連携事業、地域の理科教育のレベルアップに利用されている。新設された開放型切出し室では、学生とともに保管臓器をレビューし、シリコン包埋用の標本を切り出している。

このように、本学の解剖センターは医療人育成、医療の質向上及び地域社会の安全・安心確保に貢献している。さらにMedical Museumは、地域に開かれた施設として位置付けられている。令和6年度には、解剖センターに死後CT装置が設置される予定である。これにより、卒前教育や遺体を用いた手術手技研修などを含めた医師の生涯教育、院内死亡例における医療情報の保存、死因究明体制の質向上に寄与することができ、益々、解剖センターが社会に貢献することになる。

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