附属病院診療科
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滋賀医科大学のリハビリテーション部は1978年(昭和53年)の大学の設立と同時に発足した。しかし当時は院内処置として置かれている理学療法部であって正式に文科省から認められた部門ではなかった。理学療法部長は整形外科教授が兼任し、理学療法士は3名しかいなかった。しかし、2002年(平成14年)に整形外科から今井助教が赴任し、理学療法部を公にも認められたリハビリテーション部にするための概算要求が認められた。これにより2003年(平成15年)からリハビリテーション部は晴れて正式な部門となり、新たに理学療法士1名を加えることになった。まさに、「滋賀医大リハビリテーション部の門出」である。運動器中心のリハビリテーション部からその後、作業療法を導入し、神経内科医の助教も迎え、脳血管障害リハビリテーションを築いた。今日では典型的な脳出血・脳梗塞などの脳血管障害だけではなく、脊髄小脳変性症などの退行性疾患も得意分野にしている。
次に言語聴覚士を導入し、耳鼻科連携して嚥下外来・嚥下リハビリテーションを構築した。また、栄養治療部と連携し、栄養サポートチームでは中心的役割の一つを担うようにまで発展した。心臓リハビリテーションにおいてもその必要性を重要視し、循環器内科から助教を迎え、心臓血管リハを構築した。
次の大きな転機は 2006年(平成18年)に 病院全体として行われた病院再開発事業である。この時リハビリテーション部では国立大学病院で初の回復期リハビリテーション病院を設置し、それと同時に同リハビリテーション科が設立され、リハビリテーション専任医師4名が所属した。セラピストスタッフはこの時までに17名に拡大した。その後滋賀県下でも複数の心臓血管リハビリテーションが立ち上がったが、多くの施設がその立ち上げ時に滋賀医大心臓リハビリテーション部門を見学に来て、現在でも院内外の研修会で交流を保っている。
しかし、大学病院は超急性期病院として極めて忙しくなり、リハビリテーション部も超急性期に特化するために回復期リハビリテーションを閉鎖し、そのかわりに超急性期のリハビリテーション治療としてまず ICU やNICUなど超早期からのリハビリ介入が行われるようになった。令和になり、さらに大学病院における超急性期病棟のリハビリテーション治療により深く貢献するようになり、2019年度(令和元年)の 病院機能評価では、滋賀医大が最も特筆すべきと評価を得た一つに、「現在の日本で考えられるすべての多職種チームを滋賀医科大学は兼ね備えている」との評価があった。リハビリテーション部は そのすべての多職種チームに人員を派遣している。このように1978年(昭和53年)の発足当時は院内処置の理学療法部であったものが2021年(令和3年)には、ほぼ全ての多職種チームに人材を派遣し、療法士一人当たり施術単位数は日本でトップレベルに成長した。2017年よりリハビリテーション診療科長、リハビリテーション部准教授を拝命した、私、児玉成人が現責任者として活動させていただいている。その間、リハビリテーション医学の診療、教育、研究の体制も確立され、急性期リハビリテーション、がんリハビリテーションの充実、リハビリテーション医学の卒前卒後教育、リハビリテーション科専門医の育成、リハビリテーション医学の研究を行っている。
SHIGA UNIVERSITY OF MEDICAL SCIENCE 50th Anniversary