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血液浄化部

1980年9月心臓手術後の急性腎不全に対して本学最初の血液透析が行われ、1981年6月に透析部が発足して初代泌尿器科教授の友吉唯夫先生が透析部長に就任された。その後、第一外科、第三内科、泌尿器科がそれぞれ月、水、金の各曜日を担当し、医師1名、看護師1名、臨床工学技士1名の計3名のスタッフが、4床のベッドで血液透析を行う体制となった。2005年に急激な透析患者数増加に対応するため、透析ベッドを6床に増床し、第三内科バックアップ下に透析部専属の常勤医師が患者管理を行うようになった。2008年6月には当時部長であった宇津貴先生が、あらゆる血液浄化に対応する意思表示のため、「透析部」から「血液浄化部」に名称を変更された。2008年の血液浄化件数は年間1500件であったが、病院再開発に伴い2009年9月から10床に増床し、以後年々血液浄化件数は増加して2017年には2800件を超えた。また、2009年10月から専属の看護師長が配属されるようになり、院内の臨床工学技士数も増加して複数の医師、看護師、臨床工学技士が血液浄化部の業務に携わるようになった。現在、看護師は師長を含めて6名、臨床工学技士は13名のうち3~4名が交代で、血液浄化部に常駐している。マンパワーが充実し、重症患者への対応が可能となり、人工呼吸器管理患者の血液透析実施も珍しくなくなった。最近では、血液浄化部看護師が非透析日に病棟に赴き、入院中の透析患者の保清介助に取り組んでいる。透析部開設当初から行っている、毎週金曜日の透析カンファレンスは現在も継続しており、治療方針検討のための多職種カンファレンスとして定着している。

入院患者の血液透析以外に、2008年頃から腹膜透析患者に対する週1回血液透析併用療法を開始し、現在も4名の併用療法患者に対して外来血液透析を行っている。透析以外の血液浄化療法としては、従来から行っている血漿交換や血漿吸着、顆粒球除去療法、腹水濾過濃縮再静注療法に加え、最近では選択的血漿交換や吸着式潰瘍治療法を入院患者のみならず外来患者にも施行している。

2022年3月には新型コロナウイルス感染症対策および結核菌を排菌している患者の透析に対応する必要性に迫られたことを契機に、血液浄化部の個室を陰圧個室として使用できるようになった。今後、より確実な感染症対策を行えるよう、2025年に予定されている改修の際には、ベッド間隔に余裕を持たせて重症患者に対応できるベッドを増やすとともに、個室を2床に増床する。さらに、腹膜透析患者の診察などに対応できる診察スペースを確保する予定である。今後も大学病院の血液浄化部門として、高度な治療を必要とする透析患者さんや急性腎障害および様々な血液浄化療法に対応できるよう努める所存である。

50周年という節目の記念誌への寄稿を通して、血液浄化部の歴史を振り返る機会をいただき、改めて現在の血液浄化部の形があるのは開設当初からこれまでに携わってこられた諸先生方のご尽力の賜物だと感じた。部長を歴任された友吉唯夫先生、吉川隆一先生、岡田裕作先生、宇津貴先生、荒木信一先生をはじめ、血液浄化部の診療にご助力いただいた諸先生方、歴代の看護師長、看護師および臨床工学技士の皆様に感謝申し上げる。

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