Departments講座等紹介

基礎医学講座

生理学講座(統合臓器生理学)

初代生理学第一講座教授・橫田敏勝先生、二代目教授・陣内皓之祐先生(平成9年就任)の後を襲い、平成23年に等 誠司が生理学講座統合臓器生理学部門に赴任した。

橫田教授は、電気生理学的手法を用いた痛みと鎮痛の研究を行い、視床腹側基底核群尾側部の被殻領域に侵害受容ニューロンが体部位再現性を示して局在することや、皮膚と内臓からの入力が収束することを発見した。痛みの研究は、当時助手として教室に加わった小山なつ先生が令和3年に定年退職するまで、長年に亙って引き継がれ、多くの大学院生の学位研究となった。

陣内教授は、ニホンザル大脳基底核の神経回路解析を行い、視床背側内側核・前腹側核ニューロンが黒質網様部からの単シナプス性抑制性入力を受け、前頭前野主溝腹側部へ投射することを、電気生理学的に単一細胞レベルで実証した。これらの研究には、助手の谷渕育夫先生、伊地知義親先生をはじめとして、多くの大学院生が参画した。

等が着任してからは、それまで大型動物の大脳生理学研究に特化した研究室を大幅に改装し、分子生物学やタンパク質化学からマウス行動解析まで幅広く取り扱えるようにした。スタッフとして在籍した福家 聡助教や渕上孝裕特任助教、現スタッフの林 義剛助教、守村直子助教、Kenny Anak Daun特任助教、Asmaa Abdullah教務補佐員らとともに、生理学と他の神経科学領域を融合した研究に取り組んでいる。スタッフや大学院生とともに、研究医養成プログラムに登録した医学部学生も多数在籍(現在10名)しており、将来研究ができる臨床医になるべく切磋琢磨している。

研究のキーワードは神経化学・幹細胞生物学・エピジェネティクスであり、神経幹細胞を中心とした神経発生から、成体脳における神経幹細胞−神経細胞新生システムの機能、精神神経疾患の病態解明に至るまで、個々人の興味を重視したテーマを掲げている。遺伝子改変マウスの作出や解析はもとより、本学の強みである遺伝子改変カニクイザルの作製、さらには臨床医学講座と連携したヒトサンプルを用いた共同研究を展開しつつある。

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