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臨床医学講座

泌尿器科学講座

泌尿器科学講座は1978年初代の友吉唯夫(1997年退官)を教授として誕生した。1998年に2代目教授として岡田裕作(現 東近江蒲生医療センター顧問:2013年退官)が、2013年に3代目教授として河内明宏(現市立大津市民病院理事長:2022年退官)が就任した。そして2023年10月には開学以来の悲願であった当学の卒業生で、当講座所属の影山進が4代目教授として就任した。

40周年記念誌以降の経過について記す。臨床面においては手術領域でエポックメイキングなロボット手術の導入が挙げられる。岡田教授が2013年に手術支援ロボットdaVinciSiを導入し、河内教授が新規のロボット手術術式を保険収載とほぼ同時期に次々に採用した。2022年には国産の手術支援ロボットhinotoriを導入した。また両ロボット手術の見学施設としても登録を受けており、滋賀のみならず隣接する他府県におけるロボット手術の導入に貢献している。小児泌尿器腹腔鏡手術は当科の特筆すべき領域であるが、VUR手術においては国内有数の施設として数多くの手術を施行しこの分野をリードしている。

この間いくつかの全国規模の学会を開催してきた。2016年には第25回日本小児泌尿器科学会と国際尿禁制学会のジョイントミーティング、2019年には第16回日韓小児泌尿器科学会、第29回性機能学会中部総会、第33回日本泌尿器内視鏡学会総会、2023年には日本老年泌尿器科学会をいずれも河内明宏を会長として主催した。

基礎研究においては影山進らによるGGCT関連の研究が挙げられる。GGCTは膀胱癌組織サンプルをプロテオーム解析し、高発現していた蛋白質として同定された。この一連の研究からは数多くの論文が発表され、研究費の獲得やAMEDの創薬事業への採択がされている。ゲノム編集技術を用いた遺伝性腎尿路疾患の研究や生体工学技術を用いた再生研究などを基礎医学教室とコラボレーションし、成果を出している。他にも大学院生を中心に多くの研究を行い、科研費も毎年新規採択を得るに至っている。

当講座は卒後教育と地域医療への貢献についても県内唯一の大学病院としてその重責を担っている。各領域の責任医師が最新のガイドラインや論文のトピックから治療方針を策定し、年に1度滋賀urologyカンファレンスを開催し、関連施設も含めた治療方針の均一化を図っている。若手医師の教育と手術手技の向上の目的で腹腔鏡アニマルトレーニングを毎年開催し、その成果の一端として腹腔鏡手術技術認定医が多数輩出されていることにつながっている。現段階で5つの関連施設において手術支援ロボットを有しており、高度で低侵襲な医療を患者に提供している。

この数年で同門会員は100名を越えたが約3分の1がこの10年以内に入局したフレッシュな医師である。また2018年以降、女性医師も毎年途切れることなく入局している。これらの若い力を含めた当講座の多くの医師が県内の泌尿器科診療を支えている。高いレベルの泌尿器科診療の維持に今後も貢献していく所存である。

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