臨床医学講座
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滋賀医科大学総合診療学講座は、平成20年1月9日改正の滋賀医科大学学則により開設された家庭医療学講座まで遡る。いろいろな想いや変遷を経て現在に至るので、そのあたりも踏まえて振り返りたい。
滋賀医科大学家庭医療学講座の母体である総合診療部が医学部附属病院中央診療施設の一つとして設置(省令化)されたのは平成9年4月であった。平成10年3月に三ッ浪健一先生が初代教授として着任し,全人的な医療の提供を掲げ、平成12年度には4人体制でスタートした。 文部科学省「地域貢献特別支援事業」(平成14年度)に公募し,滋賀医科大学医学部,龍谷大学社会学部および滋賀県健康福祉部による4事業(障害者理解促進事業,痴呆性高齢者介護向上促進事業,虐待家庭内暴力対策ネットワーク事業,医療福祉教育研究センター事業)が採択された(平成14~16年度)。さらに、文部科学省現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代 Good Practice:現代GP)に「産学連携によるプライマリケア医学教育」が採択された(平成16~17年度)。これらの取組の多くは終了しているが、その重要性は変わらず、令和5年度現在でも医学部教育における地域診療所実習や里親事業の基盤となっている。
平成27年、家庭医療学講座は松村一弘先生を特任教授として再出発し、救急集中治療医学講座との連携の中で臨床教育に取り組んだ。同時期に臨床教育講座(現医学・看護学教育センター)が立ち上がり、伊藤教授が着任され、次いで准教授として私(辻喜久)が着任した。この際に、私は地域医療教育にかかわることとなり、松村先生のみならず、地域で活躍する前家庭医療学講座出身の皆様や、地域医療の教育に携わる医師会を始めとした皆様に大変お世話になった。また、私事ではあるが、このGP事業に由来した地域医療教育に参加した経験は、令和2年に札幌医科大学総合診療医学講座へ着任した際に大きな力となった。令和3年になって松村先生の退職に伴い、家庭医療学講座を取り巻く環境は見直されることとなった。令和4年12月1日より、滋賀医科大学附属病院総合診療部特任教授として私が、札幌医科大学とのクロスアポイントメントの形で着任し、令和3年度から決まっていた名称変更が施行され、令和5年度6月より、家庭医療学講座は総合診療学講座、総合診療部は総合診療科となった。私を含めた4人体制となり、地域の皆様にお力添えをいただきながら、教育を軸に地域医療・総合診療・家庭医療教育に取り組んでいる。少しでも滋賀県の医療に貢献できますよう、皆様のご指導・ご鞭撻をお願いしたい。
SHIGA UNIVERSITY OF MEDICAL SCIENCE 50th Anniversary