Departments講座等紹介

臨床医学講座

総合内科学講座

「総合力を有する内科医」を育成するために、総合内科学講座から発刊した書籍
※書籍表紙公開許諾済み

旧八日市市を中心とした東近江医療圏には、以前より国立病院機構滋賀病院が存在した。しかし、平成16年、新医師臨床研修制度の開始に伴い医師数の減少が顕著となり、平成21年には常勤医は35名から15名まで減少、それに伴い入院患者数も200名以上から平均77名に減少した。この危機的な東近江医療圏を再生すべく、滋賀県、独立行政法人国立病院機構と東近江市の要請をうけて平成22年より地域医療支援のため総合内科学講座・総合外科学講座が設立された。 当時、主に滋賀医科大学に勤務していた内科系各講座の医局員から、講座設立に賛同した医師たちが、平成22年10月より国立病院機構滋賀病院(現東近江総合医療センター)へ順次出向を開始した(当初は教授1、准教授3、講師1、助教2、初代教授は辻川知之現公立甲賀病院理事長・院長)。

総合内科学講座の設立の目的は、地域医療を支援する内科学講座として、崩壊の危機に瀕した国立病院機構滋賀病院の再建であり、さらに、同病院を滋賀医科大学の第2教育病院として機能させ、これからの地域医療を担う医師を育てることであった。この目的を達成するために、講座員が一丸となって邁進してきた。実際、滋賀医科大学附属病院の初期研修医の内科研修の開始を皮切りにして、本学学生の臨床実習が行えるようになり、東近江総合医療センター独自の臨床研修プログラム・内科専攻医プログラムも実行出来るようになった。

令和2年には、辻川教授の転勤に伴い、杉本俊郎が二代教授に就任したが、同時に新型コロナ感染症の世界的なパンデミックが東近江医療圏を襲いその対応に苦慮する日々であった。しかしながら、「総合内科」という名前を冠する講座の特徴を最大限に活用し、当院所属の内科医が全員で3年間に約800例のCOVID-19の入院症例の診療にあたることが出来た。

超高齢社会の我が国において、令和6年度からは、医師の働き方改革が始まり、この改革は今後の恒久的な医療の維持のために、必ず成し遂げる必要がある。「総合力を有する内科医の育成」は、この改革の実現に必須である方略の一つであり、我々の講座の設立の目的でもある。これからも、滋賀医科大学における「地域医療を担う総合力を有する医療人の育成」に、貢献していきたい。

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