附属病院診療科
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附属病院診療科
附属病院診療科
当科は滋賀県における唯一の大学病院として様々な領域で先進的な診療に取り組んできた。当院の泌尿器診療分野としては各種泌尿器癌、小児疾患、排尿障害、女性骨盤底疾患、尿路結石症を掲げている。
泌尿器癌は外科的治療と薬物治療、それらに放射線治療を合わせた集学的治療を行っている。特に泌尿器科手術においてこの10年は開腹手術から腹腔鏡手術、そしてロボット支援手術へとのパラダイムシフトが起こった時期でもある。あらゆる外科系診療科においてロボット支援手術は手術治療の中心となり、欠くことのできない手技、治療方法となっている。泌尿器科が扱うほぼ全てのメジャーな手術において、ロボット支援手術が保険適用となったことで、患者さんに質の高い、低侵襲な医療の提供が可能となった。当科においても適応のある患者さんには副腎を除く、その他の術式全てを、従来の手術支援ロボットのdaVinciSiと国産のhinotoriを駆使しロボット支援下に施行している。薬物治療においては様々な癌腫において新規の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬、遺伝子解析による個別化治療などを積極的に行い、エビデンスに即した癌治療を患者さんに提供している。膀胱癌においては光線力学診断を用いた経尿道手術を行い、術中の膀胱癌の検出率を上げることでより精度の高い手術を行っている。膀胱全摘術を必要とするような患者さんに対して適応があれば、完全ロボット支援下の自然排尿型腸管利用代用膀胱手術を行い、患者さんのQOLの更なる改善を図っている。2005年から導入した前立腺癌に対する密封小線源永久挿入療法に関しては現在もなお県内唯一の治療施設である。最近では直腸への被曝線量低減を目的にハイドロゲルを使用し、癌制御のみならず副作用低減の点でも良好な治療成績をあげている。
小児泌尿器疾患診療は以前より当科の特色の一つであるが、気膀胱下膀胱尿管逆流防止術やロボット支援腎盂形成術などの先進的鏡視下手術、ロボット手術を積極的に取り入れている。小児泌尿器領域における低侵襲手術件数は国内でも指折であると自負している。
超高齢化社会を迎え、過活動膀胱・前立腺肥大症などの排尿障害、あるいは女性骨盤臓器脱などQOLを損なう泌尿器疾患が急増している。それに併せて数々の新規の治療法が登場している。当科でも難治性過活動膀胱に対するボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法や、リスクの高い前立腺肥大患者に対する経尿道的前立腺吊上術、骨盤臓器脱に対するロボット支援手術などを積極的に行い、滋賀県中の施設から紹介を受けている。
尿路結石症は泌尿器科におけるcommon diseaseであるがレーザーや細径内視鏡を併用した経皮的経尿道的同時砕石術を積極的に取り入れ良好な結石消失率をあげている。
このように地域の中核病院として最先端の治療をいち早く導入し、県内の患者さんに良質な医療の提供という地域貢献ができるよう関連施設と協力して日々診療を行っている。
SHIGA UNIVERSITY OF MEDICAL SCIENCE 50th Anniversary