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病理部

昭和53年に検査部が創設され、病理検査は杉山繁雄初代技師長が管理業務も行いながら標本作製を担い、昭和54年4月に専任の臨床検査技師として吉村正幸主任技官が着任、昭和55年4月に細胞検査士資格を有する武田康江技官の着任、開院時の病理診断は第一病理学教室(竹岡成教授)、第二病理学教室(狭間章忠教授)で交互に行ってきたのを、昭和55年9月に病理診断医 日高硬先生の着任をもって病理検査室の基礎が成された。

当時の主な自動機器は組織にパラフィン浸透するロータリー式の組織包埋機、標本をベルトコンベヤー式に染めるスライドステナー自動染色機だけであり、標本封入は手封入で行い、術中時標本作製の組織凍結には液化炭酸ガスボンベを用いて硬度調整を行いクリオスタットで薄切、また、パラフィンブロックは油走式ミクロトームで刃の引角、逃角の調整し薄切を行っていた。当時、薄切に関してはいずれも職人技の域であった。その後、機器更新を経て凍結切片作製時の凍結硬度調整も可能なクリオスタットが導入され庫内の急速冷凍装置で調整しやすくなった。また、パラフィンブロック薄切のミクロトーム(ベアリング式)が導入されスムーズな薄切が可能となった。平成23年9月より外来尿一般検査が中央化され以来、尿一般検査室も兼務している。

平成26年4月に九嶋亮治教授が着任、6月に病理診断科を設置され、ホルマリン対策や毒劇物の管理対策を実施し、令和3年に病理検査部門でISO15189を取得した。令和4年3月の機器更新において組織包埋装置は陰圧や液交換の設備が充実し、薄切しやすいパラフィンブロック作製が可能となり、染色から標本封入まで一貫して実施できる自動機器も導入された。また、医療安全面においてのシステム管理が充実し、バーコード管理による受付、組織切り出し時の写真記録、組織ブロック用カセットや標本の印字にはバーコード管理を利用した自動印字機を導入し、インシデントを未然に防ぐための対策を行っている。組織診断には欠かせない免疫染色も以前はマニュアル操作であったが、今は自動機器で実施し、精度管理も容易になった。令和4年3月から細胞診検査においても、細胞をスライドガラス直接塗抹するのではなく、細胞の形態保持に優れ、検体の回収率も上げ、スクリーニングを行いやすい液状化細胞診機器を導入し、婦人科膣・頸部、尿、口腔材料で実施している。提出された細胞診全検体において、病理専門医、細胞検査士がダブルチェック体制で検査報告に臨んでいる。

開学50周年を迎える現在、臨床検査技師は10名(常勤6名、時間給雇用職員4名)と臨床検査医学講座所属の非常勤職員1名で日々奮闘している。なお、臨床検査技師10名全員が細胞検査士、6名が認定病理技術検査士の有資格者である。また、技師スタッフは外部大学、専門学校の非常勤講師としても後進の指導にもあたっている。

令和元年12月より保険診療により「がん遺伝子パネル検査」が開始され、組織材料の適正検査、組織の薄切、加えて血液材料で実施するパネル検査も含め出検の手続き、検査結果をがんゲノム管理センターへ解析指示を行っている。病理専門医と共に今後も増えつつある遺伝子診療に向けて関係部門との協力体制を進め、支援し、これからも日々の進歩に対応していきたい。

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