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看護臨床教育センター

平成21年(2009年)度に文部科学省の新規事業である「看護職キャリアシステム構築プラン」において、本学が申請した「臨床教育看護師育成プラン~専門分野の知を結集し臨床看護教育者を育てる~」が選定された。この事業を実施することを目的に、看護臨床教育センターが平成21年12月1日付けで滋賀医科大学医学部附属病院に設置された。この事業の目的は、大学病院看護部と自大学看護学部・看護学科が連携し、体系立てられた臨床研修方法や体制等を、学問的検討を行って開発する。そして、臨床の看護職および基礎教育課程の教育レベルを向上させることにより、効率的・継続的な専門能力の習得と向上が図られ、国内の安心・安全な看護提供体制を構築することにある。この臨床と看護学科のユニフィケーションによる看護学教育への取り組みは、他大学では実施が困難な分野とされているが、本学では本センターが調整機能(企画立案)を果たしたことで効率的に専門能力の習得と向上が図られ、文部科学省から高い評価を受けた。

この事業の臨床教育看護師とは、一般の臨床看護師を教育する看護師であり、臨床教育看護師を育成するための教育プログラムを開発し、実施してきた。2022年度までの修了生は臨床教育看護師プログラム69名(内17名外部)、臨床教育助産師プログラム4名(内2名外部)である。養成された臨床教育看護師は、新人看護職員研修、所属部署、看護学科で演習指導を行い、臨床の教育者として、複雑多様化する看護実践能力を示し、役割モデルを果たしている。

2014年3月に文部科学省大学改革推進事業終了後も事業を継続し、「臨床看護の質の向上を目指し、人間性豊かな実践力を有する人材を育成すること・滋賀県の地域医療の質向上に貢献すること」を基本方針に次の6つの部門に改組し機能を充実してきた。

  1. 臨床教育看護師育成部門
  2. 助産師就労支援部門
  3. 新人教育研修部門
  4. 看護スキルズラボ運用部門
  5. 教育交流支援部門
  6. 地域の看護職・教員・多職種研修部門

本センターは本学における教育組織体制(入試・卒前・卒後を連動させた一貫した教育体制)において卒後教育を担っており、新人看護職員研修プログラムを開発、全ての新人看護研修を運営し実施している。

また、滋賀県より本センターが委託を受け、2015年には看護学科に、新卒でも訪問看護に就職できるよう正規の授業外として「訪問看護師コース(選択制)」を設置した。2021年より正課となり、本センターは卒後支援を展望し連携体制を維持している。

訪問看護師コース修了生の約半数が本院に就職していることから、卒後のキャリア支援に訪問看護出向システムを構築し2019年度から「在籍型訪問看護出向事業」を開始した。本院の看護師(訪問看護師コース修了者・退院リンクナース等)が、一定期間(3か月~6か月間)訪問看護ステーションに出向し、訪問看護に従事することにより、在宅移行支援機能強化、専門性の高い看護師の活用や人材育成につなげ、地域における看護師のあらたな人材活用を図るものである。2023年度までに4施設に10名が在籍出向している。

2011年度から実施している県内の医療施設対象の新人看護職員研修は、2023年度時点で27施設から314名(延べ1971名)を受入れ研修を行っている。2014年度からは滋賀県補助金により多職種連携共通人材育成プログラムの立案、以降「在宅医療推進サポート事業」として医療介護福祉の従事者がお互いの専門的な知識を活かしながらチームとなって患者家族をサポートできるよう、多職種チーム医療の質向上を図る研修を実施している。その他、看護師・助産師復職支援研修、看護教員フォローアップ研修を行い、地域医療へ貢献してきた。

本センターは今後も地域・病院・大学をつなぐ調整機能を果たし、「看護の力で地域の人々を支える」地域と病院と大学の協働による人材育成・人材交流・人材活用の推進に取り組んで行きたい。

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