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無菌治療部

無菌治療部は1997年、中央診療部門として設立された。骨髄移植は1970年頃、アメリカ・シアトルのE. D. Thomas博士らにより確立され、日本では1974年に名古屋で、以後金沢、大阪などで開始された。また、滋賀県内では1989年に当院血液内科(旧第二内科学講座)で初めて、再生不良性貧血症例に対する血縁者間骨髄移植が行われた。その後は、血液内科と小児科で造血器悪性腫瘍や骨髄不全などに対する骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植などの同種移植ならびに自家移植が、また他の診療科においても固形癌治療の一環として自家末梢血幹細胞移植が施行されてきた。これら移植に際しては、細胞処理が必要な場合があること、分離、凍結、保存をする場合があること、移植に当たってはチーム医療が不可欠なことから、中央診療部としての無菌治療部が組織された。

当初、旧5C病棟に1床、小児科に1床のみの無菌ユニットを各々で管理していたが、1996年に現在のICU拡張部分に新たに中央管理の無菌室ユニット2床、準無菌室1床を新設された。その後、ICUの拡張および病院再開発に伴い、旧5C病棟を経て4C病棟と小児科に無菌治療室を再設置した。また、旧4B病棟に細胞処理を行うセルプロセッシングセンターを新設し、先端医療を推進していく中で細胞プロセッシングの整備は必要不可欠であることから、GMPの規制レベルの細胞操作が行える体制を整えた。現在は、4C病棟に準無菌管理個室3室、完全無菌管理個室2室を備えている。

1989年から2023年の血液内科での移植総数は約410例で滋賀県下最多を誇る。近年ではHLA半合致(HLAが半分不適合の)ドナーからの血縁者間ハプロ移植も実施している。日本血液学会認定研修施設、日本輸血・細胞治療学会認定研修施設であり、また、日本骨髄バンクと臍帯血バンクを介した非血縁者間造血幹細胞移植が可能な日本造血・免疫細胞療法学会認定の移植認定施設ならびに採取認定施設である。2023年には急性移植片対宿主病に対する治療として間葉系幹細胞(再生医療等製品)の使用を開始。また2024年、血液浄化部と連携して慢性移植片対宿主病に対する体外フォトフェレーシス導入を予定しています。

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