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基礎医学講座

病理学講座(疾患制御病態学)

当研究室は、挟間章忠教授のもと、「病理学第二講座」として開講され、主に血管病理と脳神経病理の研究が行われた。挟間教授の薫陶を受けた先生方から、笹原正清先生は1999年に富山医科薬科大学 第二病理学講座(現 富山大学医学部病態病理学講座)教授、天野殖先生は2001年に京都大学 国立大学併設短期大学部(現 京都大学大学院・医学研究科)教授、福岡順也先生は2012年に長崎大学大学院医歯薬総合研究科生命医科学講座病理学教授に就任された。

1997年6月に挟間教授が副学長に就任された。1999年3月に小笠原一誠教授が着任され、研究領域が免疫学に大きく転換となった。2005年に名称が「病理学講座 疾患制御病理学部門」に変更になった。2006年に石垣宏仁助教が着任、2007年に寺本和雄先生が研究生(2013年から特任講師)として教室に参加した。また、2008年に仲山美沙子助教が着任した。このころから教室の研究は、カニクイザルを用いた感染症研究に進展した。北海道大学喜田宏先生との共同研究において、インフルエンザウイルスに対する不活化完全粒子ワクチンの有効性を確認した。2009年のインフルエンザパンデミックの際には、東京大学河岡義裕教授との共同研究で、世界の何処よりも早く、カニクイザルを用いてパンデミックウイルスの病原性を明らかにし、研究成果をNature誌に発表した。

2012年より寺本和雄特任講師を中心として、免疫抑制物質除去カラムの実用化をめざした研究がスタートした。また、2013年度よりMHCの判明したカニクイザルを使用して、iPS細胞ストックの有効性を検証するプロジェクトがJST再生医療実現拠点ネットワークプログラム技術開発個別課題に採択された。

20164月に小笠原教授が副学長に就任され、201911月に伊藤准教授が教授に昇任し、講座名が「病理学講座 疾患制御病態学部門」に変更された。また202110月に石垣助教が准教授に昇任となった。この間に特任助教として七戸新太郎先生、鈴木沙織先生、木下貴明先生、Nguyen Thanh Cong先生がそれぞれ着任され、カニクイザルを用いた感染実験の遂行に尽力した。

2020年のSARS-CoV-2のパンデミックの際には、教室員全員でカニクイザルを用いた感染実験を行い、病原性解析を行った。さらに2020年度~2022年度には、学外の様々な研究グループと伴にCOVID-19の治療薬とワクチンの開発を精力的に行った。AMEDに「カニクイザルモデルを用いた新型コロナウイルスに対する組換えワクチンの開発」、「霊長類モデルを用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬及びワクチン開発を加速する支援体制の構築」、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化霊長類モデルを用いたSARS-CoV-2と季節性コロナウイルスに対する免疫反応の解析と治療薬及びワクチンターゲットの探索」、「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業 霊長類モデルを用いたワクチン評価に関するサポート機関」が採択された。

20236月に大滝賢一特任助手が着任した。20234月にNguyen Thanh Cong特任助教が近畿大学微生物学講座の助教、20239月に仲山助教がドイツのHelmholtz Zentrum Munchen, Comprehensive Pneumology Centerに移動した。

2023年からはインフルエンザとCOVID-19の研究に加え、東京都医学総合研究所と協力し、サル痘のワクチン研究を開始した。令和56年度大学発新産業創出基金事業 可能性検証に「免疫抑制性T細胞吸着カラムによる免疫低下疾患治療法の開発」が採択され、腫瘍免疫の研究を推進している。

引き続き、当教室は主にカニクイザルを用いた感染症研究を行い、社会貢献していくことになる。また研究のできる病理医の育成に尽力していきたい。

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