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臨床医学講座

内科学講座(血液内科)

2022年、血液内科は新しく独立した講座として誕生した。その源流は、1976年に開設された内科学第二講座(細田四郎教授)まで遡る。消化器内科を中心とした講座だったが、血液内科の診療も担っていた。その後、内科学第二講座(のちに消化器・血液内科へ名称変更)は消化器内科を専門とする馬場忠雄教授、藤山佳秀教授、安藤朗教授へと引き継がれたが、一貫して血液内科の運営も担ってきた。そして2022年10月、新しく内科学講座(血液内科)が開設され、初代教授に村田誠が就任した。村田教授は同時に附属病院血液内科診療科長を兼務し、2022年12月から輸血部長、無菌治療部長も兼務、そして2023年1月、輸血部を輸血・細胞治療部へ改称した。附属病院血液内科はこれら輸血・細胞治療部、無菌治療部と常に連携しながら、血液内科診療に当たっている。

現在、血液内科には教授のほかに岩佐磨佐紀学内講師、藤城綾特任助教、浅井愛病院助教、永井詩穂病院助教、阿部和樹医員が、輸血・細胞治療部には村田誠部長のほかに南口仁志病院准教授、西村理惠特任助教、水島由美子移植コーディネーターが、そして無菌治療部には村田誠部長と南口仁志副部長が在籍している。また、血液内科大学院生として雜賀渉医師、口分田美奈医師、寺本由加子医師が在籍している。これらの内、8名が日本血液学会専門医を、4名が日本血液学会指導医を、2名が日本輸血・細胞治療学会認定医を、2名が造血細胞移植認定医を、そしてがん治療認定医、日本血栓止血学会認定医、日本エイズ学会認定医を各1名が所有している。

入院病棟は2009年の病院再開発を機に、それまでの5C病棟から4C病棟に移った。完全無菌管理個室2床、準無菌管理個室3床、一般病室16床の計21床を運用している。とくに当科の造血幹細胞移植の歴史は長く、1989年に滋賀で初めて骨髄移植を実施して以来、これまでに県下最多の約410件を実施してきた。2023年には、輸血・細胞治療部に再生医療等製品に対応可能な新しい製剤管理システムを導入し、急性移植片対宿主病に対する間葉系幹細胞を使用可能とした。また2024年、血液浄化部と連携して慢性移植片対宿主病に対する体外フォトフェレーシスを導入予定である。

外来は病院2階の血液内科診察室3部屋で行っている。毎日、新患+再診を1診、再診のみを1診、そして曜日によって移植後長期フォローアップ外来やAIDS外来などの専門外来を開設している。尚、当院は日本血液学会認定研修施設、日本輸血・細胞治療学会認定研修施設であり、また日本骨髄バンクや臍帯血バンクを介した非血縁者間造血幹細胞移植が実施可能な日本造血・免疫細胞療法学会移植認定施設ならびに採取認定施設である。加えて、造血幹細胞移植推進地域拠点病院、滋賀県HIV/エイズ診療中核拠点病院に指定されている。

本稿執筆時(2023年12月)、まだ我々は院内の3つの部屋に分かれて机を置き仕事をしている。2024年、ようやく実験実習支援センター建物内に医局スペースを与えられることが決まった。これで医局員一同、毎日顔を突き合わせて話をすることができる。私たちは「一人一人の患者さんに寄り添う気持ちを持ち、最新・最適な治療法を提供することで、この地域の全ての血液内科患者さんに、滋賀医科大学で治療を受けて良かった、と言っていただける血液内科」をめざしている。近年、血液内科では一昔前には想像もできなかったスピードで新規治療薬が上市されるようになった。最新・最適な治療法を提供できる環境を一つ一つ整備しながら、そこに滋賀医科大学血液内科の予てより得意とする患者さんに寄り添う気持ちを添えることで、上記ビジョンの達成をめざす。そして滋賀県をはじめ国内外で活躍し、次世代を担うリーダーとなる血液内科医/研究者を育成していく。

 

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