Departments講座等紹介

臨床医学講座

眼科学講座

眼科学講座は1978年4月に稲富昭太が初代教授として就任、1991年1月から2004年3月に可児一孝が2代目の教授を務め、2005年4月から大路正人が教授に就任し現在に至っている。それぞれの教授が専門としている分野を中心に、研究、臨床を行ってきた。稲富教授の斜視・弱視分野、その後の可児教授による神経眼科、電気生理、緑内障、そして大路教授の就任後は、新たに網膜硝子体分野が充実してきている。ここでは40周年記念誌以降の2014年から2023年までの主な教室の活動について紹介する。

研究面ではサルを用いた抗VEGF(血管内皮増殖因子)薬の薬物動態やマウス未熟児網膜症モデルの基礎研究、硝子体手術器具の開発、加齢黄斑変性、網膜静脈分枝閉塞症、糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF薬、色覚検査を用いた治療効果などの臨床研究などがあげられる。また、日本網膜硝子体学会の疾患登録事業に参加して当施設のみならず多くのデータをもとに解析を行い発表した。加齢黄斑変性の臨床結果を多施設共同研究で行い、抗VEGF治療のEUにおける添付文書の改定などにつながっている。臨床においては網膜硝子体疾患・白内障・緑内障・斜視手術、眼外傷の手術、抗VEGF薬の硝子体内注射などを行っている。

教室で主催した主な学会は、2015年第32回日本眼循環学会(第54回日本網膜硝子体学会総会との合同学会)、2018年第57回日本網膜硝子体学会、2019年第73回日本臨床眼科学会である。特に日本臨床眼科学会は眼科医が最も多く参加する学会であり、大路教授、事務局長を担当した西信良嗣准教授のもと、医局員の協力で無事開催することができた。地方会としては教室主催のさざなみ眼科研究会を年2回、滋賀眼科症例検討会を年2回定期的に行っている。

卒前教育において、学生講義では当講座での専門領域に偏らないよう学外からの講師も招聘し、すべての眼科領域を網羅するようにしている。また全身疾患との関連について強調し、学生の理解を深めるよう努めている。臨床実習では、教官がそれぞれレクチャーを担当し、また症例についてのレポートを作成、顕微鏡下で豚眼を用いた模擬手術の実習など、実際の眼科診療に近くなるように工夫している。卒後教育については日常の診療での指導に加えて、専攻医向けの講義、手術手技取得・学会発表・論文作成についての進捗状況を定期的に確認することにしている。前述の症例検討会では、若い医師が発表に触れる良い機会となっている。

今後は、網膜硝子体、斜視弱視、神経眼科、緑内障などの幅広い分野において、研究面、臨床面をさらに充実させ、医学教育、卒後医師臨床教育における人材の育成にも力を入れていきたい。

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