club部活動紹介

ワンダーフォーゲル部

蓬莱山

私たち大学のワンダーフォーゲル部は、自然愛好者が集まり、共に冒険し新しい発見を共有する場です。
滋賀医科大学ワンダーフォーゲル部では、学生が登山・ハイキングを通じて交流し、新しい経験を得ることができます。活動頻度は月に1度ほど、おもに滋賀県内の山に登っています。滋賀県は関西圏のなかでも山に恵まれた県であり、ハイキングに適した低山や1,000mほど登る中級者向けの山が多く存在します。

なかでも私が好きな山は比良山地の蓬莱山です。琵琶湖西岸には比良山系という山域が南北に走っており、最高峰の武奈ヶ岳(1,214m)を筆頭に、蓬莱山(1,174m)や比良岳(1,051m)といった1,000m越えのピークが連なっています。びわ湖バレイスキー場としても有名な蓬莱山山頂からの眺望は大変美しく、山々の緑と琵琶湖の澄んだ青の入り混じった景色には息を呑まざるをえません。

滋賀県最高峰は、百名山の一角でもある伊吹山(1,377m)です。徒歩で登る場合の獲得標高(のぼる高さ)、 歩行距離は一つの山としては滋賀県トップレベルであり、県内ながらなかなか手応えのある登山を楽しめます。木々が上を覆わない長い道のりを越えた先、頂上で我々を出迎えるのはカラフルな花たちです。麓と山頂では気温、気候がまったく異なり、四季ごとに変わった表情を見せる高山植物が咲き乱れています。別世界を思わせる花畑を見ながら、山頂の小屋で一服……もちろん、美しい琵琶湖パノラマも欠かせません。百名山の名に恥じない名峰です。

他にも、稜線の美しさから近江富士と称される三上山(432m)、頂上の独特なカルスト地形が魅力の霊仙山(1,094m)など。これら滋賀県の山を主な活動拠点としつつ、京都府の大文字山(465m)や兵庫県の六甲山(931m)など関西圏の山に足を運ぶこともあります。

さて、ワンダーフォーゲル部という名称はドイツ語で「渡り鳥」を意味するWandervogelという単語に由来しています。ときは19世紀、戦前期のドイツは急速な近代化にあおられ、ギムナジウム(学校)では懸命な詰め込み教育が行われていました。そんな時、勉強に必死になり窒息しそうな学生を見かねたある教師が、学生を自然のもとに連れ出し、森を散策するグループを発足させたのです。これがワンダーフォーゲル部の始まりといいます。

健全な精神を養い、産業革命で見失われた伝統の再発見を目指すこと。急速な人口増加と工業化を迎え、緑の少なくなっていく都市部には「渡り鳥のように飛び立ち自然へ還る」という考えがマッチしたのかもしれません。

我々医学生・看護学生の日常は多くの勉強、実習のため多忙です。試験勉強、実習レポートに忙殺される日々のなか、休日にワンダーフォーゲル部の登山活動に参加すると、我々はゆったりとした時間を取り戻すのです。

ときには忙しい日常をはなれ、渡り鳥のように山々を渡っていく……。私たちは、滋賀医科大学ワンダーフォーゲル部です。

蓬莱山

伊吹山

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