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看護部


平成26年から令和5年まで(2014年〜2023年)までの看護部を振り返る。この10年は、天皇の在位中に元号が決定され、平成から令和へ改元を迎えた。社会情勢では、少子高齢化が急速に進み、日本の人口は2007年をピークにして減少に転じており、私たち医療の現場でも様々な対応、考え方に柔軟性が求められた。平成28年に厚生労働省より、国立大学病院初の特定行為研修機関として承認された。大学の第4期中期目標では、「世界の研究動向も踏まえ、最新の知見を生かし、質の高い医療を安全かつ安定的に提供するとともに、医療分野を先導し、中核となって活躍できる医療人を養成する」と掲げられた。看護部内では「特定看護師の実装と実効のある役割分担者の育成し、タスクシフトを行う」ことを課題と捉え、タスクシフトに向けて、令和4年より計画的に特定看護師の輩出に尽力している。

この10年の間、地震や台風による災害やCOVID-19感染拡大の脅威にさらされ、厳しい環境の中、大学病院としての使命を遂行してきた。DPATやDMATへの派遣、県内はコロナワクチン集団接種の応援、県外は他施設(大阪コロナ重症センター、関西医科大学総合医療センター、神戸大学病院)へ看護師を派遣した。特に令和2年よりCOVID-19は、人々の生活様式、医療現場などを一変させたが、看護職をはじめ全職員が力を合わせて、私たちが果たすべく役割を遂行してきた。また、病院職員以外、多く企業からの応援も受け、力を合わせて乗り越えた3年間であった。

看護部の理念

「あたたかい心で患者さんに満足していただける看護を提供します」という理念を掲げ、患者に寄り添い、看護師にしかできないことへの拘りをもって活動している。また、質の高い看護を提供するために看護職の人材育成、働きやすい職場環境を目指し、積極的に取り組んでいる。

看護部目標

1.看護の質向上

平成27年度頃より、海外研修(マレーシア、ベトナム、アメリカ、インドネシア、イギリス、オランダなど)に看護職員が参加し、海外の看護に触れる機会を設けている。また、看護部のキャリアパスに沿って、ジェネラリスト、スペシャリスト、臨床教育看護師、看護管理者のコースに分け計画的に育成を行っている。専門性を追求したスペシャリスト、学生や後輩への教育的関わりをする臨床教育看護師、臨床推論を用いた医行為を行う特定看護師(ジェネラリスト)、部署を統括しマネジメントする看護管理者を育成し、看護の質向上を図っている。

2.働きやすい職場環境

夜勤勤務による負担が大きく、平成26年より16時間夜勤から12時間夜勤へと変更し、夜勤勤務の負担軽減に繋げた。また、当初、8時間日勤勤務は残業が多かったため、12時間日勤勤務で残業なく退勤できると見込んでいた。しかし、実際は身体的な負担や残業時間が増え、また退勤後の交通公共機関の利用時間には間に合わない状況が発生した。そこで、令和4年より、14時間夜勤と10時間日勤に変更することで公共交通機関の利用時間内に帰宅でき、身体の負担軽減にも繋がった。また、ワークライフバランスを考慮し、「子育てをしながら働き続ける」、「仕事と家庭の両立」などから、育児休業制度を活用した勤務環境を整え、全看護職の1割程度が活用している。男性看護職も60名在籍しており育児休業制度を活用し一緒に子育てができる環境も整えた。

3.病院経営への参画

看護職が取り扱う医用材料は幅広く、種類も複数ある。医用材料のムダ・ムラを省く集約、削減を図っている。また、病棟および患者支援センター、MSW(医療ソーシャルワーカー)と協働し、患者の在院日数短縮や病床稼働率上昇に尽力している。
病院の経営について考える機会を毎年、事務と看護部(看護師長)とで一緒に研修し、事務の視点、看護の視点から情報を共有し、経営に貢献している。

これからの10年…。

今後、少子高齢化の進行に伴って、現役世代(担い手)が急減する中、看護ニーズの増大が見込まれており、看護師等の確保の推進が重要となる。また、働き方改革が推進され、現在は看護職が幅広く業務を請け負っているが、看護職として専門に特化した業務へ移行を進めていく必要がある。特定看護師を輩出し、専門に特化した役割拡大を果たせるよう人材育成に尽力していく。

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