画像:皮膚への負担を軽減する医療用テープがアイデアコンテストで優秀賞を受賞

Present of the University滋賀医科大学の今

#09

研究

皮膚への負担を軽減する医療用テープがアイデアコンテストで優秀賞を受賞

松山 峻大 MATSUYAMA Syunta

医学科3年生

 2022年10月27日、福島県郡山市で開催された『第3回創生アイデアコンテスト in メディカルクリエーションふくしま2022』で、松山 峻大さんが優秀賞を受賞しました。これは一般社団法人ふくしま医療機器産業推進機構が主催するアイデアコンテストで、全国の高校生、高専生、専門学生、大学生、大学院生を対象に、健康・医療・介護などのヘルスケア領域における課題とその課題を解決するためのアイデアを募集するものです。

 

医工連携で医療用テープを剥がすときの痛みを解決する方法を検討

 当日は約100チームのエントリーの中から一次審査、二次審査を通過した8チームによるプレゼンテーションが行われ、私のチーム『つつむ』は、『医療用テープ使用時の皮膚への負担の軽減をめざして』というテーマで発表を行いました。

 私がこのテーマに取り組むことになったのは、医療分野における新たな製品・サービス開発に必要なビジネスの視点を学ぶ『医療イノベーションの基礎』という授業を選択したことがきっかけです。医療用テープを剥がすときの痛みが患者さんや医療・介護スタッフの負担になっていることから、医工連携で東京理科大学や多摩美術大学の学生らと、これを解決する方法を検討しました。

 

剥がすタイミングになるとテープの色が変わるフィルムの開発に取り組む

 2022年2月に行われた学内のアイデアコンテスト『第5回SUMSピッチコンテスト』では優良賞に選ばれ、その後、手直しを加えて、創生アイデアコンテストへエントリーしました。当初はテープをスムーズに剥がすために剥離剤を使うというアイデアでしたが、コストや使い勝手を考えて別のアイデアを検討することにしました。生命科学講座(化学)や皮膚科学講座など、学内の研究室や先輩、附属病院の看護師さん、そして学外の専門の方々からアドバイスを受けながら、剥がすタイミングになるとテープの色が変わるフィルムの開発に取り組みました。

 アイデアコンテストでは、青から水色を経て白になるという色の変化により剥がすタイミングを知らせるというアイデアが評価されましたが、期待したようにうまく色が変わらず、材料を変えたりしながら何度も実験を繰り返しました。実用化するにはまだまだ改善の余地があり、これからの学生生活の中で、実現に向けてどのようなスパンで試作品の製作などを進めていけるかがポイントになると考えています。

 このアイデアに対して、現場からはぜひ実現してほしいという声が多く寄せられたほか、テーピングや湿布などへの応用も期待されており、12月に行われた第39回滋賀医科大学シンポジウムでも『Best young researcher賞』を受賞しました。
 取り組んでみて良かったことは、さまざまな人と出会って交流できたことと周りの人たちの支えを改めて実感したことです。感謝の気持ちを忘れずにこれからも活動を進めていきます。

 

 

 所属する柔道部では部長として活躍する松山さんは、2022年10月に開催された『第68回関西医歯薬学生柔道大会』では新人戦で見事優勝を果たしました。「今後は後輩の活躍を後押ししながら、チームメイトと共に、西医体や団体戦でも優勝を目指し練習を続けます」と意欲をのぞかせました。

 

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