画像:振り返りと交流をテーマに次の成長につながる『若鮎遡上会』を実施

Present of the University滋賀医科大学の今

#06

教育

振り返りと交流をテーマに次の成長につながる『若鮎遡上会』を実施

山口 瑠心 YAMAGUCHI Ryujin

医学科4年生 / 若鮎遡上会実行委員長

滋賀医科大学では、学生で組織した実行委員会によって、学園祭『若鮎祭』を毎年10月に実施してきました。新型コロナウイルスの感染が拡大して以降は実施が見送られたり、規模を縮小してオンラインで行ったりしてきましたが、2022年は3年ぶりに実施の方向で委員会が組織されました。

 

 

「遡上」に込めた成長への願い

 メンバーと協力して若鮎祭を企画運営する経験から得ることは多いはずという思いから、2022年4月に実行委員長に就任しました。3年ぶりに学外の方々にも来ていただいて、楽しんでもらえるような若鮎祭にしたいと思っていました。
 ところが5月に本学学生が逮捕され、6月に起訴されたことから、従来とは違う形式で実施するか、あるいは中止するかを先生方とも何度も協議しました。その結果、「本学学生が今回の事件について考える機会とすること」「学生同士の交流を促すこと」を目的に、“祭り”ということばは使わず、『若鮎遡上会』という名称で実施することになりました。

 長年実施してきた若鮎祭の文化は消したくないという思いで“若鮎”という言葉を残し、会を実施することによって学生の成長につながってほしいという願いを込めて“遡上”ということばを選びました。

 

様々な制約の中、学生の交流と事件を振り返る企画を実施

 7月に『若鮎遡上会』の実施が決定したため、委員会のメンバーは8月から3カ月弱というタイトなスケジュールで準備を行うことになりました。学生の交流を図るために、各部活やサークルの発表などさまざまな企画を準備しました。また、事件の振り返りのために「医学生の特権意識と医学界の狭さ、世界の狭さや特権意識」「医療現場・ジェンダーの行動経済学」をテーマに、養老孟司東京大学名誉教授ら外部講師による講演会、学生団体IFMSA-Japan(国際医学生連盟)によるワークショップやグループディスカッションなどを行うことにしました。
 また、学園祭のような飲食系の模擬店は出店しないこと、SNSなどによる情報発信は行わないことなどを決めました。

 

 外部講師への交渉も含め、さまざまなことに配慮しながら、短時間で準備を行う中で、時にはメンバー間で意見が対立することもありましたが、その都度話し合いを重ねて着地点を見出しながら、当日を迎えました。

 最終的にみんなを巻き込んで、無事開催できて本当に良かったと思います。会場に集まった学生から、「色々な制約がかかった開催であったが、どれもよく考えられた企画で、参加してよかった」「普段考えないことを考える良い機会になった」といった肯定的な声が寄せられたことにも手応えを感じています。

 

 

 困難な状況の中、実行委員長として仲間とともに『若鮎遡上会』を企画・実行した山口さんは最後に「一緒に頑張ってくれた仲間には感謝の気持ちでいっぱいです。今回、得られたさまざまな経験や評価された点を、来年の若鮎祭に引き継いでいってもらいたいと思います。」と、来年の実行委員にエールを送りました。

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